【出張着付け】博物館の展示ケースに入ってみた!

一番シンプルで美しく楽ちんな着付け
着付け教室るりいろです。

先日のブログの続きです
【着付け事例】博物館からの着付けのご依頼

前回のブログでは、大阪くらしの今昔館という博物館で開催される展覧会用の図録のために
和装ボディに着付けをしました。
今回のブログでは、その展覧会「大大阪時代に咲いたレトロモダンな着物たち」本番用に、ボディに着付けをさせてもらった裏側を語っていきます!
※この展覧会は既に終了しています

下準備はプチプチ!?

長期間、和装ボディを大量にレンタルできるところが少なかったそうで
今回はナイスバディな洋装ボディに着せていくことに

和装用の着付ボディは、表面が布地で滑りにくく、クッション性もあるのですが
今回の洋装ボディは、ウエストはしっかりくびれてるし、胸とお尻はしっかり立体的で、表面はつるつるで硬いし、いつもと勝手が違いました笑

今回も容子先生ともう一人生徒さんに来てもらって
まずはナイスバディなボディたちに、補正のプチプチや綿を巻くところからスタートです
プチプチはあらかじめ、博物館さんにロールで用意してもらいました
ボディなのでテープでぐるぐる巻きにしてますが、もちろん人間にはこういう補正はしません笑

着物コーデはどうやって決めたのか

今回の展覧会は大家(おおいえ)家の代々の着物を一式、博物館に寄付されたことが始まりです。
なので着物のコーデは、寄付された方から実際そのおばあ様、お母様が着ていらしたコーデを聞いて、着付けています

「この着物にはこの帯」と詳しく覚えていらして、そのことからも、当時、お誂えされるときに着物と帯を一緒に選んでいらしたことが想像できます

「くたっと着付けて~」

学芸員さんからは「戦前の写真のように、クタっと、衿合わせも崩して、帯揚げもざっくり着付けしてほしい」
と言われたのですが、さすがに、そこまで崩すと、崩れが気になって着物が見れないのでは・・・
と着付け師目線では若干抵抗しまして笑
派手は銘仙などは、若い方が着ていただろからと、衣紋を詰め気味にしたり(うちの母は、「若い人は衣紋を抜かないものだった」と常々言ってましたし)
シックなコーデなら、衿元をすこしゆったり着付けて楽そうにみせたり、と細かなところで着付けを工夫しています
胸元のシワはタックを取る雑誌の様な着付けにはせず、自然な感じにしました
帯締めは短いものが多かったので、現代のように上から挟むのではなく、下から挟み込んで房を上向きにしています


ま、自己満足の世界かと思っていたのですが、そういう意図を理解してくださったらしく、アンケートで「今風過ぎず、でも崩れているわけでもない着付けがよかった」と書いてくださった方が何名かいらしたのですよ!
嬉しかったな~。たぶん、知り合いにもそこまで話してないから、ほんとに見て感じてくださった感想だと思います

一気に着せ終わったところ
子供用の着物がかわいい!

腕が転がっているのが、ちょっとシュール・・・
たぶん30体近いのを1日がかりで、2人で着せています

展示ケースの中へ

着付け2日目
最終展示ケースの中へは、男性スタッフさんにも手伝ってもらい、運び込み。

着物の種類や、季節などで見やすいように並べています

容子先生に展示ケースに入ってもらって、腕の角度や袖の向きを微修正

私は、外から見てあーだこーだ言うだけ笑



ボディの足元にキャプションが並んで、一気にそれらしくなりました

この展示の何がすごいのか

通常、着物など古い衣類を展示する展覧会では、着物を広げたり衣桁に掛けたりして展示します
ボディとはいえ、着付けをすると長期間着せたままなので、ひものあとが付いたりしてしまいますし、古いものだと、生地に耐力がなく破損の恐れもあります
つまり、着物や帯が痛むリスクがあるのです

この展覧会の少し前に、昭和初期に復元した奈良時代以降の時代衣装を展示する展覧会が京都であり、そこでもほとんどがボディに着付けされていて(着装展示ともいう)話題でした。
それくらいほとんどが着装展示、という着物の展覧会は少ないわけです

ですが、やっぱり着物は着てこそ、帯は巻いてこそ、その柄のすばらしさがわかったり、逆に見えない所なのに、びっしりと柄を描いている贅沢さを想ったりするわけです。

着ている姿を見せたい、という寄贈者さんと担当学芸員の熱い思いが形になった展覧会でした

あとは、撮影がOKという点も大きかったです
今は撮影OKの美術館博物館も増えましたが、このころはまだ少なかったですね

前日に最終チェック

展覧会スタートの前日、最終チェックのために博物館へ
インスタに載せてほしいということだったので、しっかり写真を撮りました笑

展示と言えばケースの中が当たり前ですが、今回はお茶の時間をテーマにしたシーンを再現
見る人との間に何も仕切りがない、いわゆる裸展示と言われます

実はこれもリスクが大きく、触っちゃダメ!と記載してあっても触られたり、小物は盗難の恐れもあります。今回は着物以外のおもちゃや食器なども寄付されたため、こういう展示もしましたが、実は関係者はドキドキしていました。

私は、帯の角度や、細部をチェック。ボディの間にある広げて展示されている羽織等は、後から設置されたものなので、バランスを見ながら着物の袖の振りの方向などもそろえていきます
単独ケースのコーデは、学芸員さんがセレクトしたものです。360度見れるので、着物好きさんは嬉しいですよね。

みんなで見学へ

しばらくしてから、容子先生や募集に集まってくださった皆さんと展覧会の見学へ

自由に撮影できるのがうれしい。

このピンクの振袖は着た日も、着た人の年齢もすべてわかっている珍しい物
廻船問屋だった大家家の新しい船の進水式でお嬢さんが着たものです
金駒刺繍という金色の糸で柄を縁取る刺繍が痛んでいて、京都の職人さんに直してもらうも「着装には耐えられない」と診断され、衣桁にかけての展示になりました
左の帯もセットで誂えられたもの。

最後は江戸時代の町家を再現した展示空間でまったり。
着物で行くと楽しいのですが、天井の張替え工事の為、この再現空間は2022秋まで閉鎖中です

今回の企画展では本当に貴重な体験をさせてもらいました。
こんなに一気にきせたことも、チームで着付けしたこともほんとに素晴らしい体験です。反省点は次に生かして、精進していきます!

※この展覧会は既に終了しています

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